遥かなる炭山の灯いっせいに炭山なき山の芽吹きかな錆色の立坑櫓春の風 郭公鳴き眠れる地霊呼び起こす 春の雲炭鉱遺産の発電所 遠郭公炭鉱長屋影もなし まなうらに炭山の灯のごと初蛍 抗口を指さす人の夏帽子 逢へば出る昔の話炭山祭 苺売り来て炭山の灯をかがやかす ぼうぼうと夏草茂る長屋跡 |
炭山のいで湯の記憶月今宵 人栖まぬ色なき風の坑の跡 花野まで錆し鉄路の跡を踏み 野ざらしの炭車吹かるる秋風裡 誰もゐぬ廃校の庭虫すだく 秋澄みぬ昔は黒き炭山の川 炭山に生き老いも若きも盆踊り ひっそりと秋草匂ふ殉職碑 凍つる夜の夢の中なる発破音 遥かなる炭山の灯偲ぶ雪の夜 |
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